質問
「私は昔から『優柔不断』な性格です。何かを決める時に迷いすぎて時間がかかってしまったり、周りの意見に流されそうになったりします。就活の自己PRで自分の性格を正直に伝えたいのですが、企業からは『決断力がない』『リーダーシップに欠ける』と思われないか不安です。優柔不断をポジティブな強みとして伝える言い換え表現や、例文を教えてください。」
回答
「優柔不断」は、「慎重さ」や「分析力」という強みに言い換えられます
「優柔不断」は、自己PRでは 慎重さ（リスク管理）／分析力（比較検討）／傾聴力（調整力） などに言い換えると評価されやすくなります。
ただし、言い換えだけだと「決断が遅い人」に見えるため、判断基準（何で比べたか）と期限（いつ決めたか）をセットで伝えるのがコツです。
✅この記事では、あなたのエピソードに合わせて選べる「優柔不断」を言い換える3つの切り口と、ES・面接で使える自己PRの例文を紹介します。
「優柔不断」を強みに言い換える3つの切り口
質問にもあった「優柔不断」は、単に「決められない」と伝えると頼りない印象を与えかねませんが、ビジネスでは「思慮深さ」や「協調性」という信頼感に変換できます。なぜ迷うのか、その理由を深掘りするだけで「リスク管理ができ、周囲を尊重できる人材」として差別化できます。
採用担当者が”優柔不断”と聞いて気にするポイントとしては(1)期限を守れない、(2)他責に見える、(3)結論が揺れる、の3点です。逆に、『判断基準→比較→決断→検証』まで話せると、慎重さが”仕事の進め方”として評価されやすくなります。
パターンA：リスクを避けて慎重に考える場合
📌言い換え： 「リスクを見極める慎重さ」
即決できないのは、失敗の可能性を想像できているからです。最悪の事態を想定し、石橋を叩いて渡る姿勢は、ミスが許されない業務において大きな武器になります。
【書き出し例】
「私は、物事を進める際にリスクを徹底的に洗い出す『慎重さ』を持つ人間です。一つの選択肢に飛びつくのではなく、起こりうる問題を事前にシミュレーションし、最も確実性の高い方法を選択することができます。（具体的には～）」
パターンB：多くの情報を集めて比較検討する場合
📌言い換え： 「情報収集力と分析力」
迷うのは、より良い答えを探そうとしているからです。納得いくまで情報を集め、比較検討するプロセスは、質の高いアウトプットを生み出すための「分析力」と言い換えられます。
【書き出し例】
「私は、納得のいく結論が出るまで妥協しない『探究心』があります。判断に迷う場面でも、感情や勘に頼るのではなく、客観的なデータを集めて比較検討し、論理的に最善の解を導き出すことができます。（具体的には～）」
パターンC：リスクを想定してトラブルを防げる場合
📌言い換え： 「傾聴力と柔軟性」
自分の意見を押し通さず迷ってしまうのは、他者の意見を尊重できるからです。多様な意見を取り入れ、全員が納得できる着地点を探す姿勢は、チームワークにおける「調整力」になります。
【書き出し例】
「私は、周囲の意見を尊重し、最適解を見つける『柔軟性』があります。独断で物事を進めるのではなく、多様な意見に耳を傾け、チーム全体が納得できる方向へ調整を図ることができます。（具体的には～）」
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【例文】優柔不断を強みに変える自己PR
強みを理解しても、それを論理的に伝えられなければ意味がありません。ここでは、誰でも説得力のある自己PRが作れる「PREP法」に基づいた構成と例文を紹介します。
PREP法とは？
論理的で分かりやすい構成を作るためのフレームワークが「PREP法（プレップ法）」です。
PREP法は、以下の4つのステップの頭文字を取ったものです。
- Point（結論）：最初に結論や要点を述べます。
- Reason（理由）：なぜその結論に至ったのか、理由を説明します。
- Example（具体例）：理由を裏付ける具体的な事例やデータを挙げます。
- Point（結論）：最後にもう一度結論を述べ、話を締めます。
この順番で話を展開することで、聞き手や読み手はストレスなく内容を理解でき、説得力が大幅に向上します。
自己PRの基本構成（結論・理由・具体例・結び）
PREP法を基に、まずは「私の強みは〇〇（心配性の言い換え）です」という結論から始めます。
次にその理由、それを裏付ける具体的なエピソード、そして最後に「その強みを活かして貴社でどう貢献するか」で締めくくりましょう。
例文1：「慎重さ・計画性」としてアピールする場合（文字数：約350文字）
【例文】
私の強みは、物事を多角的に検討し、ミスなく遂行する「慎重な計画性」です。 私は決断に時間をかける傾向がありますが、それは準備を徹底するためです。大学の学園祭実行委員で会場設営の責任者を務めた際、当日の天候悪化や機材トラブルなど、あらゆるリスクを想定して準備を進めました。「考えすぎだ」と言われることもありましたが、複数の代替案を用意し、マニュアル化しました。 その結果、当日は予期せぬ大雨に見舞われましたが、事前に用意していた屋内配置への変更プランを即座に実行し、混乱なくイベントを成功させることができました。 この経験から、迷う時間は「成功確率を高めるための投資」であると学びました。貴社の事務職においても、正確さと確実性を重視し、信頼される業務遂行で貢献します。
▼ ポイント💡
「迷って時間がかかった」というネガティブな事実だけでなく、その結果「トラブルを回避できた」「ミスがなかった」というポジティブな成果に繋げることが重要です。「遅い」ではなく「確実」であると印象付けましょう。
例文2：「傾聴力・調整力」としてアピールする場合（文字数：約350文字）
【例文】
私の強みは、周囲の意見を丁寧に汲み取り、チームの総意を形成する「傾聴力」です。 私はゼミのグループ研究でリーダーを務めた際、メンバー間で研究テーマの方針が割れ、なかなか結論が出せない状況に直面しました。私はすぐに多数決で決めることを避け、一人ひとりと個別に話し合う時間を設けました。それぞれの意見の背景にある意図やこだわりを深く聞き出し、全員の要素を取り入れた新しい折衷案を提案しました。 その結果、全員が納得感を持って研究に取り組むことができ、最終発表では学部長賞を受賞することができました。 一見、決断が遅いと思われがちですが、私は「全員が納得するプロセス」を大切にしています。貴社の営業職でも、顧客の潜在的なニーズを粘り強く聞き出し、真に満足いただける提案を行います。
▼ ポイント💡
「決められない」のではなく、「あえて時間をかけて聞くことを選んだ」というスタンスを示すのがコツです。優柔不断な性格が、独りよがりな判断を防ぎ、チームの結束力を高めたというストーリーにすることで、協調性をアピールできます。
まとめ：「優柔不断」は「思慮深さ」！自信を持ってアピールしよう
「優柔不断」は決して短所ではありません。それは「失敗したくない」「より良い答えを出したい」「周りを大切にしたい」という誠実さの裏返しです。
「迷った末に、根拠を持って決断した」「慎重に進めたおかげでミスを防げた」というエピソードを添えることで、リスクを管理し着実に成果を積み上げる「信頼」へと変わります。自信を持ってアピールしてください。
