【質問】就活の面接での「自己紹介」と「自己PR」の違いと使い分け方は?

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就活の面接での「自己紹介」と「自己PR」の違いと使い分け方は?

質問

「就活の面接の冒頭で『自己紹介をお願いします』と言われた時、何をどこまで話せばいいか分かりません。 名前と大学名だけだと短すぎる気がするし、ガッツリ強みを話すとその後の『自己PR』と被ってしまいそうです。正しい使い分けと構成を教えてください。」

回答

「自己紹介」と「自己PR」は、『目的』や『採用担当者の視点』が異なります 

面接で「自己紹介をお願いします」と言われたら、自己PRの“結論(強み)を一言チラ見せ”するのはOKですが、エピソード詳細まで話すのは控えるのが基本です。

「自己紹介で言ったことと、自己PRが被ってしまう」と悩む必要はなく、むしろ、一貫性を持たせるために、あえてリンクさせるのが正解です。

また、「自己紹介」と「自己PR」は全く別の役割を持っており、採用担当者はこの2つを明確に区別して聞いています。無理に詰め込んだり、逆に短すぎたりすると、せっかくの第一印象を損ねてしまう可能性があります。

  1. 「自己紹介」と「自己PR」の違いとは【比較表あり】
  2. 『面接官の視点』の違いとは
  3. 【テンプレート付】正しい使い分け方と構成
  4. まとめ

1.「自己紹介」と「自己PR」の違いとは【比較表あり】

まずは基本となる「目的」の違いを押さえましょう。

「自己紹介」と「自己PR」の最大の違いは、話す情報の「深さ」と「範囲」です。

  • 自己紹介は「広く浅く」
    ⇒あなたの全体像(プロフィール)をざっと見せるイメージです。
  • 自己PRは「狭く深く」
    ⇒特定の強みに焦点を当て、それを証拠(エピソード)で裏付ける作業です。

この違いを意識し、適切に切り分けることで、面接官に「こちらの意図を正しく汲み取れる、コミュニケーション能力の高い学生だ」と印象づけることができます。

▼【比較表】自己紹介と自己PRの違い

項目自己紹介自己PR
目的「挨拶」と「概要」「売り込み」と「説得」
役割あくまで会話のきっかけ作り。
氏名、大学名、現在取り組んでいること(学業やサークルなど)を簡潔に伝える。
自分を採用するメリットを伝える場。
自分の強みが企業でどう役立つか、根拠(エピソード)と共に論理的に証明し、納得させる。

 2.『面接官の視点』の違いとは

面接官は機械的に質問しているわけではありません。それぞれの質問には必ず「確認したい意図」があります。

面接官が「自己紹介」と「自己PR」を聞くとき、頭の中でチェックしているポイントは大きく異なります。面接官の頭の中をイメージすることで、的確な回答ができるようになります。

【自己紹介】のときの、面接官の頭の中 

「まずは第一印象。基本的なコミュニケーションは取れるかな?」

自己紹介の段階では、まだあなたのことを深くジャッジしようとはしていません。まずは「人として」の基礎を見ています。

▼ チェックポイント

  1. 第一印象チェック: 目を見てハキハキ話せるか、表情は明るいか、声の大きさは適切かなど、社会人としての基礎を確認しています。
  2. 会話の糸口探し: 「サークル長をやっていたのか、リーダーシップがありそうだな」「変わったゼミだな、後で詳しく聞こう」など、この後の質問の材料を探しています。

【自己PR】のときの、面接官の頭の中

「具体的に、活躍できるポテンシャルのある人材かな?」
「根拠のエピソードを詳しく聞いて、自社とマッチしそうか判断しよう」

ここでは打って変わって、あなたのポテンシャルやマッチ度合を見極めようとしています。

▼ チェックポイント

  1. 深堀りと検証: 「その強みは本当か?」「困難な状況でどう動いたのか?」と、エピソードの細部を聞き出し、能力の再現性を確認しようとしています。
  2. 自社とのマッチング: 学生のアピールする強みが、自社の求める人物像や業務内容と合致しているかをシビアにジャッジしています。

3.「自己紹介」と「自己PR」の正しい使い分け方と構成【テンプレート付】

違いがわかったところで、実際に面接でそのまま使える構成とテンプレートを紹介します。自分のエピソードを当てはめて考えてみてください。

① 自己紹介(目安:30秒〜1分)

「名前・所属」+「人柄や背景がわかるトピック」を簡潔に話します。

ここで重要なのは、この後の自己PRの「結論」だけをチラ見せすることです。

構成テンプレート

  1. 基本情報(大学・学部・氏名)
  2. 現在の取り組み(ゼミ、部活、アルバイトなど一言で)
  3. 人柄・特徴(「〇〇な強みを活かして~」など、この後の面接でアピールしたいポイントをチラ見せ)
  4. 意気込み(「本日はよろしくお願いいたします」)

💡ここが注意点!
NG例: 
冒頭から「私は学生時代に〇〇のリーダーとして、売上を〜」と、長々とエピソードトークを始めてしまうのはNGです。採用担当者に「それは後で聞くから…」と感じさせてしまう可能性があります。詳細は我慢しましょう。

② 自己PR(目安:1分〜2分)

自己紹介でチラ見せした「強み」について、具体的なエピソード(根拠)を交えて深く掘り下げます。

構成テンプレート

  1. 結論(私の強みは〇〇です)
  2. 理由・背景(その強みが発揮された具体的な場面)
  3. 課題と行動(どんな問題があり、どう解決したか)
  4. 結果(その結果どうなったか)
  5. 貢献(入社後どう活かすか)

③【正しい使い分け方】2つを「リンクさせる」のが正解のテクニック

「自己紹介」と「自己PR」は、あえて意図的に被らせて「リンクさせる」ことが、面接を有利に進めるためのテクニックになります。

なぜリンクさせることが「正解」なのか、その理由と具体的なイメージを解説します。

💡理由1:面接官の記憶に残る「一貫性」が生まれる

面接官は1日に何人もの学生と会います。あれこれと違う要素を詰め込みすぎると、「結局、何が得意な学生だったっけ?」と印象が薄れてしまいます。 リンクさせることで、「あの『○○の強み』の学生ね!」と、印象付けが可能になります。

💡理由2:会話の主導権を握れる

自己紹介で強みをチラ見せすることは、面接官に対して「後で、この話題について聞いてくださいね」という誘導になります。 面接官も、全く知らないことをゼロから聞くより、自己紹介で少し触れられた内容の方が質問しやすいため、自然とあなたが準備してきた「自己PR」の話へと誘導することができます。

▼ リンクさせるための「接続フレーズ」

実際に話す際は、以下のような「接続詞(つなぎ言葉)」を使うと、重複している感じがなくなり、むしろ論理的な印象を与えられます。

  • 「先ほどの自己紹介でも少し触れましたが……」
  • 「冒頭で申し上げた通り、私は〇〇に自信があります。具体的には……」
  • 「自己紹介でお話しした〇〇の経験について、詳しくお話しさせていただきますと……」

実際の使い分け方を、自身のエピソードに当てはめて準備しましょう。

▼ 使い分けのイメージ

  • 自己紹介:「予告編」
     例)「大学時代は吹奏楽部での活動に注力し、そこで培った粘り強さが私の持ち味です。」 (※ここでは「へぇ、そうなんだ」と思わせるだけでOK。詳細は話さない!)
  • 自己PR:「本編」
     例)「先ほどの自己紹介でも触れましたが、私の最大の武器は粘り強さです。具体的には、コンクールに向けて毎日100回の練習を欠かさず……」

このように、自己紹介を「この後の質問(自己PR)への伏線」として使うことで、話に一貫性が生まれ、面接全体の説得力がグッと高まります。

まとめ

ここまでの内容を整理します。「自己紹介」と「自己PR」の違いを理解することは、面接突破の第一歩です。

  • 自己紹介は「1分程度」でコンパクトに 
    「これからお話しする私の全体像」を伝えるつもりで、明るく挨拶しましょう。
  • 自己PRは「構成」を意識して熱意を持って 
    「結論(強み)→ 理由(エピソード)→ 貢献(入社後どう活かすか)」の流れで、具体的な根拠を交えてアピールしましょう。
  • 被ってもOK、むしろ繋げる
     自己紹介を予告編、自己PRを本編と捉え、一貫性のあるアピールを目指しましょう。

また、ご質問にもあった「何をどこまで話せばよいのかわからない…」という方は、下記を参考にしてみてください!

  • 「自己紹介をお願いします」
    ⇒ 氏名・所属+取り組み+強みを一言(予告)まで。エピソードは出さない。
  • 「簡単に自己紹介を」
    ⇒ 「強みの予告」は省略してもOK。まずは明るく30秒で要点だけ。
  • 「自己紹介と自己PRをお願いします」
    ⇒ 自己紹介30秒→自己PR60〜90秒で、区切って話す(接続フレーズを使う)。
  • 「1分で自己紹介」
    ⇒ トピックは1つに絞る(ゼミ or バイト等)。固有名詞の説明は削る。

面接は「対話」です。違いを理解し、相手が求めている情報を適切なタイミングで提供できれば、あなたの評価は上がるはずです。

この記事を参考に、しっかりと準備し、自信を持って面接に挑んでくださいね!

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