「チーム経験」をアピールする上で重要なポイント3選!
- 企業が求める「チーム経験」とは「何か」を知る
- PRポイントを、「コミュニケーション能力」や「チーム経験」にしない
- チーム内での役割や動きが重要となる
以上のポイントを踏まえて、本記事を参考にご自身の自己PRの作成やアピール方法を考えてみてください!
企業が求める「チーム経験」とは?
企業が面接でチーム経験について質問するのは、「この学生は、入社後も周りと協力して仕事を進められるかな?」という点を確認したいからです。具体的には「協調性」や「コミュニケーション能力」「状況に応じた柔軟な対応力」などを見ています。
社会人になるとほとんどの仕事がチームで進められるため、学生時代のチーム経験をもとに、社会人としてもチームで円滑に業務に取り組めるかが見られています。事前に、志望企業の具体的な業務内容や働き方の情報を集め、自分がそのチームの一員になった場合にどのように業務に取り組むことができるのかをイメージしておくことも重要です。
自己PRの例文
「チーム経験」をアピールする際のポイントと注意点を意識した例文を参考にしてみてください。
・理系向け「チーム経験」
私の強みは、チームで成果を出すための調整力と協働力です。これは、大学のロボット開発プロジェクトで得た経験から培われました。異なる専門分野のメンバーと協力し、限られた期間内に試作機を完成させるという課題に取り組みました。私は、進捗管理と役割分担を担い、メンバー間の認識のズレを解消するために定期的なミーティングを提案・実施しました。さらに、技術的な課題に対しては自ら調査し、他メンバーの作業を支援しました。その結果、プロジェクトは予定より早く完了し、学内コンテストで優秀賞を受賞しました。この経験から、チームで成果を最大化する力を身につけました。
・文系向け「チーム経験」
私の強みは、チームで成果を出すための調整力と協働力です。これは、ゼミでの企業向けマーケティング提案プロジェクトを通じて培いました。限られた期間で提案資料を完成させるという課題に対し、私は進行管理と役割分担を担当しました。メンバー間で意見が分かれた際には、中立的な立場で意見を整理し、共通の方向性を見出すよう努めました。また、資料作成では他メンバーの作業をサポートし、全体の質を高めることに貢献しました。その結果、企業担当者から高評価をいただき、学内でも優秀プロジェクトとして表彰されました。この経験から、チームで成果を最大化する力を身につけました。
「チーム経験」と「協調性」の違いは?
特徴を一言で表した場合 | 付随するPRポイント | |
チーム経験 | 協働して成果を出す力 | 協働力/成果への貢献/役割理解 |
協調性 | 周囲と円滑に関係を築く力/伝える/聞く/つなぐ力 | 傾聴力/共感力 |
両者の使い分けのポイントは、「目的・視点・強調する要素」が異なります。下記の例を参考に振り返ってみましょう!
チーム経験
成果や役割を強調したい場合
協調性
人との関わり方や姿勢を強調したい場合
「チーム経験」をアピールするポイント2選
①具体的なエピソードの選び方
具体的なエピソードを選ぶ際には、チームの中で明確な役割があった経験や、長期的な取り組みのチーム経験を活用するとよいでしょう。
面接官は「この人はうちの会社でも活躍してくれそうか?」という視点で見ています。そのため、チームでのあなたの役割や行動について「なんでそうしたの?」「一番大変だったことは?」といった深堀り質問がよく来ます。これに備えるためにも、具体的なエピソードを選んでおくことが大切です。
さらに、選んだエピソードが企業の求める人材像に合っているかを確認することも大切です。
企業が求める人物像を調査し、自己PRで使用するエピソードがその要件に合っているかを見極めましょう。
このようにして選んだエピソードは、面接官に対してチーム経験を具体的かつ効果的に伝える力になります。
②PRポイントを「コミュニケーション能力」や「チーム経験」にしない
チーム経験をPRする際には、アピールの結論部分を「コミュニケーション能力」や「チーム経験」とするのは避けましょう。
なぜなら、これらは具体的な経験(原体験)を語ることで、間接的に十分アピールできるからです。
例えば、PRポイントが「リーダーシップ」の場合、「リーダーシップ」を発揮するには「コミュニケーション能力」や「チーム経験」が必要になります。
そのため、「リーダーシップ」をアピールする際には、具体的な経験(原体験)をしっかりと記載しましょう。
「どのように発揮したのか」「困難をどう乗り越えたのか」といったエピソードを活用してください。
面接では、具体的な行動や原体験について深掘りされることが多いため、エピソードを記載する際には細かく振り返って作成することをおすすめします。
自己PRで「チーム経験」をアピールする際の注意点
目標と成果を明確にする
「チーム経験」をアピールする際には、どのような目標に対して、どのように行動し、どのような結果につながったのかを具体的に示すことが重要です。以下に、採用担当者に納得してもらうためのポイントをご紹介します。
・目標
どのレベルの目標を設定していたかを伝えるために、「例年○○件だったので、○○件という目標を設定した」といったように、過去の実績や周囲との比較を活用して説明しましょう。
・具体的な行動
可能な限り具体的な行動を示す際には、第三者の登場人物を加えると効果的です。登場人物がいることで、コミュニケーション能力やチームでの協働力を間接的にアピールできます。また、目標に対してなぜその行動を選んだのかを説明することで、採用担当者の納得感を高めることができます。
・成果
目標を定量的に設定しておくと、成果をより明確に伝えることができます。例えば、「目標に対して○○%達成した」といった形で示すことで、採用担当者も成果を理解しやすくなります。目標設定の段階から、定性的ではなく定量的な指標を意識しましょう。
リーダーである必要はない
「チーム経験」をアピールする際、リーダー経験にこだわる必要はありません。リーダーでなくても、サポート役、調整役、アイデア提供者、議事録作成など、さまざまな役割があります。自分が担当した役割に対して、工夫した点や努力した点を具体的に伝えることで、十分に自己PRにつなげることができます。
無理にリーダー経験を語ろうとして内容が薄くなってしまうと、かえって企業からの評価を得づらくなる可能性があります。
・リーダー以外でもアピールできる経験内容
- サポート役としてチームを支えた経験
- アイデア出しや企画でチームに貢献した経験
- 情報収集や分析をしチームに貢献した経験
- 調整役として意見が対立した際などに意見の整理をした経験
チーム経験をアピールする効果的な自己PR作成手順
①自己分析を実施する
過去の経験で、「チームで何かに取り組んだ経験」を振り返りましょう。
このとき、チームの中で役割を持って行動した経験や、長期的にチームで取り組んだ経験を思い出すことで、自己PRに活用できるエピソードを見つけることができます。
・振り返るべき経験例
- ゼミやグループ研究/課題に取り組んだ経験
- ボランティア活動でチームで取り組んだ経験
- 部活動やサークル活動に取り組んだ経験
- アルバイトでチームで取り組んだ経験(ホールのチームやキッチンのチームなどの職種ごと)
- インターンシップでグループワークに取り組んだ経験
- 家族や住んでいる地域での共同作業の経験(地域の清掃イベントや町内会のイベントなど)
- 趣味の活動の経験(オンラインゲーム、創作グループでの作品作りなど)
もし自分一人で過去を振り返ってもうまくいかない場合は、一緒に活動していたメンバーに「チームで自分がどのように行動していたか」や「チームからの自分の評価」などを聞いてみましょう。
自分だけでは気づけない視点で振り返ることができます。
②エピソードの選定
エピソードを選定する際には、「変化 → 課題 → 対応 → 成果」の流れがある経験が効果的です。
例えば、飲食店でホールのアルバイトをしていた際に、10名のコースで予約していたお客様が当日にキャンセルをされた。キャンセル料はいただけるものの、用意した料理をどうするのかという課題があった。
ホールのアルバイトチームで当日来店されたお客様へ通常価格よりも割引をした上でおすすめをし注文をとることを提案。ホールとキッチンで互いに料理の訴求のポイントを共有することでお客様にメニューの魅力が伝わり注文していただくことができた。
その結果、10人前の料理をすべて注文いただきフードロスを防げた。
このように、「変化 → 課題 → 対応 → 成果」の流れを意識してエピソードを構成し、成果を伝える際には数字を活用することがポイントです。
チームでの経験をアピールする際は、具体的な行動を通じてチームワークやコミュニケーション能力を間接的に伝えることができます。
③企業での活かし方を考える
企業での活かし方を考えるためには、まず企業について知ることが大切です。
企業のHPなどに掲載されている事業内容や文化・風土はもちろん、可能であれば応募職種でどのような仕事があり、どのような目標を持って取り組むのかも理解しておくと非常に良いです。
企業について理解したうえで、「チーム経験」をどのように活かせるかをアピールしましょう。
例えば、志望職種の具体的な働き方を逆質問やOB・OG訪問を通じて調べ、自分のチーム経験がどのように役立つかを伝えると効果的です。
まとめ:企業が求める「チーム経験」を的確に伝えるために
自己PRで「チーム経験」を的確にアピールするためには、まず企業がなぜその経験を重視しているのかを理解することが重要です。企業は、チーム経験を通じて得られる「協働力」「柔軟性」「コミュニケーション能力」などを、入社後の業務に活かせるかどうかを見ています。
そのため、自己PRでは単に「チームで活動した」ことを伝えるのではなく、チーム内での自分の役割や行動、成果を具体的に示すことが求められます。リーダーでなくても、サポート役や調整役としてどのように貢献したかを明確にすることで、あなたの強みが伝わります。
また、PRポイントとして「コミュニケーション能力」や「チーム経験」そのものを掲げるのではなく、それらを活かして発揮した力(例:リーダーシップ、課題解決力など)を中心に据えることで、より説得力のある自己PRになります。
企業が求める人物像に合わせて、あなたの経験を「変化 → 課題 → 対応 → 成果」の流れで整理し、数字や具体的な成果を交えて伝えることで、面接官に強い印象を残すことができるでしょう。