質問
「面接の練習を録音して聞き返したら、自分が想像以上に「えっと」「あの〜」を連発していて驚きました。面接本番で「えっと」と言わないようにしたいのですが、代わりにどんな言葉を使えばいいのでしょうか?」
回答
「えっと」の代わりには、「はい」「そうですね」「ありがとうございます」など”意味のあるつなぎ言葉”に置き換えるのが効果的
「えっと」は”フィラー”と呼ばれる無意識のつなぎ言葉で、面接の緊張下では誰でも出やすいものです。
ただし、回数が多いと「準備不足」「自信がなさそう」という印象につながるリスクがあります。
大切なのは「えっと」をゼロにすることではなく、意味のある言葉や沈黙に置き換えるテクニックを身につけること。
この記事では、場面別に使える言い換えフレーズ7選と、口癖を直す練習法を具体的に紹介します。
✅この記事で分かること(目次)
1.そもそも「えっと」はなぜ出るの?
面接中の「えっと」「えー」「あの〜」は、言語学で「フィラー(filler)」と呼ばれます。日本語では「つなぎ言葉」とも言いますね。
フィラーが出る主な原因は次の3つです。
- 思考の時間稼ぎ:頭の中で回答を組み立てている間、沈黙を避けようとして無意識に発してしまう
- 緊張・不安:面接という特殊な環境でプレッシャーがかかり、言葉が出にくくなる
- 話す構成が決まっていない:何から話すか定まらないまま口を開くと、フィラーが冒頭に入りやすい
つまり「えっと」は性格の問題ではなく、話し方の”クセ”と”準備”の問題です。正しい対策を知れば、改善できます。
「えっと」の代わりになる方法は大きく2種類ある
| アプローチ | 具体策 | 難易度 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ①言い換えフレーズに置き換える | 「はい、」「そうですね、」など意味のある言葉を挟む | ★☆☆(すぐ使える) | フィラーの”空虚さ”がなくなり、丁寧な印象に変わる |
| ②「間(ま)」を活用する | 1〜2秒の沈黙を意図的に置く | ★★☆(慣れが必要) | 「落ち着いている」「考えて話している」という好印象につながる |
| ③話す構成を事前に固める | PREP法などのフレームワークで回答の型を作る | ★★★(練習が必要) | そもそもフィラーが出にくい話し方が身につく(根本対策) |
💡 ポイント:
①と②は本番ですぐ使える”応急処置”、③は根本から改善する”体質改善”です。この記事ではすべて解説しますので、自分に合ったものから取り入れてみてください。
2.場面別「えっと」の代わりに使えるフレーズ7選
面接の流れに沿って、フィラーが出やすい7つの場面ごとに言い換えフレーズを紹介します。
<パターン①> 質問を聞いた直後の第一声
意図: 面接官は、質問に対する”最初のリアクション”で候補者の落ち着きや傾聴力を見ています。
💡 ポイント:
質問直後が最も「えっと」が出やすい瞬間です。ここを「はい。」の一言で受け止めるだけで印象が大きく変わります。「はい。」と言っている1秒間に、頭の中で回答の骨格を組み立てましょう。
【言い換えフレーズ】
❌ 「えっと……、私の強みは……」
✅ 「はい。私の強みは〇〇です。」
▼ 解説:
「はい。」は「あなたの質問を受け取りました」というシグナルになります。面接官に対する敬意も伝わり、わずか一言で”聞き上手・落ち着いた人”という印象を作れます。
<パターン②> 少し考えたいとき(想定外の質問)
意図: 面接官は想定外の質問で「素の思考力」を見ています。慌てずに対応できるかがポイントです。
💡 ポイント:
考える時間が欲しいとき、「えっと」の代わりに「そうですね、」と言えば、”しっかり考えてから話す人”という印象になります。さらに時間が必要なら、正直に一言断るのも好印象です。
【言い換えフレーズ】
❌ 「えっと〜……、えー……、あの〜……」(無言が怖くてフィラーを連発)
✅ 「そうですね、……(1〜2秒の間)……私は〇〇だと考えます。」
✅ 「少しだけ考えるお時間をいただいてもよろしいでしょうか。」
▼ 解説:
「そうですね、」は相手の質問を受け止める意味を持つため、フィラーと違い”空白”になりません。また「考える時間をください」と伝えるのはマナー違反ではなく、むしろ誠実さのアピールです。多くの面接官は「どうぞ」と快く応じてくれるかと思います。
<パターン③> 回答の途中で次の言葉が出てこないとき
意図: 話の途中で詰まる場面では、面接官は「論理的に話を組み立てられるか」を見ています。
💡 ポイント:
文と文の間に「えっと」を入れる代わりに、直前の要点を短く繰り返す(リフレーズ) テクニックが有効です。繰り返している間に次の言葉が浮かびます。
【言い換えフレーズ】
❌ 「サークルで部長をしていて、えっと、あの〜、大変だったのが……」
✅ 「サークルで部長を務めていました。その中で特に大変だったのが……」
▼ 解説:
「その中で」「具体的には」「特に」などの接続表現を使うと、話の流れを切らずに自然な”間”を作れます。ゼミの研究発表やプレゼンでも使える汎用テクニックです。
<パターン④> 面接官の言葉を受けてリアクションするとき
意図: 面接官が説明や補足をした後のリアクションで、コミュニケーション力が垣間見えます。
💡 ポイント:
面接官の発言を受けるときは、「ありがとうございます。」や「おっしゃる通りです。」など感謝・共感のフレーズを最初に置くのがおすすめです。
【言い換えフレーズ】
❌ 「えっと、はい、そうですね、あの〜……」
✅ 「ありがとうございます。まさにその点について、私は〇〇と考えています。」
✅ 「おっしゃる通りだと思います。補足しますと……」
▼ 解説:
感謝や共感の言葉は、面接官との”対話感”を生みます。一方的に回答するだけでなく、会話のキャッチボールができている印象を与えられるのがメリットです。
<パターン⑤> 話が長くなりそうなとき(軌道修正)
意図: 面接官は「要点を簡潔にまとめる力」を重視しています。要点を簡潔にまとめられると、面接官に好印象を与えやすくなります。
💡 ポイント:
話が広がりすぎたと感じたら、「えっと」で間をつなぐのではなく、「一言でまとめますと、」と切り替えましょう。自分で軌道修正できる力は高く評価されます。
【言い換えフレーズ】
❌ 「……で、えっと、何が言いたいかというと、あの〜……」
✅ 「少し話が長くなりましたが、一言でまとめますと〇〇ということです。」
▼ 解説:
面接では「1回答60〜90秒」が目安と言われます。途中で「長くなっている」と気づけること自体が、セルフモニタリング能力の証明になり、面接官にも好印象を与えます。
<パターン⑥> 逆質問の冒頭
意図: 逆質問は”準備の質”が表れやすい場面。冒頭の出だしで就活生の本気度が伝わります。
💡 ポイント:
逆質問で「えっと、特にないんですけど……」は最も避けたいパターンです。「はい、ぜひ1つお伺いしたいのですが、」と前置きすると、意欲的な姿勢が伝わります。
【言い換えフレーズ】
❌ 「えっと〜……、そうですね〜……、うーん……」
✅ 「はい、ぜひ1つお伺いしたいのですが、御社で活躍されている若手社員の方に共通する特徴はありますか?」
▼ 解説:
逆質問は事前に2〜3個準備しておくのが鉄則です。準備があれば「えっと」が入る余地がそもそもなくなります。質問が浮かばない場合のストック質問を持っておくと安心です。
関連記事:面接でよく聞かれる定番質問は何ですか?
<パターン⑦> あえて「間(ま)」を使う(フレーズを使わない選択肢)
意図: 面接官は、沈黙を恐れない落ち着きを持つ候補者に好印象を抱くことが多いです。
💡 ポイント:
「えっと」の代替手段として出来るようになると良いのが「何も言わない(1〜2秒の間を置く)」 です。沈黙は怖いかもしれませんが、面接官から見ると「考えてから話す誠実な人」に映ります。
【具体例】
❌ 「えっと、私の短所は、えー、あの〜、少し心配性なところです」
✅ 「……(1秒の間)……私の短所は、心配性なところです。」
▼ 解説:
1〜2秒の沈黙は、話し手が思うほど聞き手には長く感じません。むしろ「次に重要なことを言うんだな」という期待感を生む効果があります。プロのアナウンサーやプレゼンターも「間」を意図的に活用しています。
【まとめ表】場面別・言い換えフレーズ一覧
| 場面 | 「えっと」の代わり | 効果 |
|---|---|---|
| ① 質問直後の第一声 | 「はい。」 | 傾聴力・落ち着きを示す |
| ② 考えたいとき | 「そうですね、」 / 時間をもらう一言 | 思考力・誠実さを示す |
| ③ 回答途中で詰まったとき | 「その中で」「具体的には」(接続表現) | 論理的な話の組み立てを示す |
| ④ 面接官の発言を受けるとき | 「ありがとうございます。」 | 対話力・敬意を示す |
| ⑤ 話が長くなったとき | 「一言でまとめますと、」 | 要約力・セルフモニタリング力を示す |
| ⑥ 逆質問の冒頭 | 「ぜひお伺いしたいのですが、」 | 意欲・準備の質を示す |
| ⑦ どの場面でも | 1〜2秒の「間」(沈黙) | 落ち着き・自信を示す |
3.面接官は「話し方」のどこを見ている?3つの評価視点
「えっと」を減らすことがなぜ大切なのか、面接官側の視点から理解しておきましょう。評価のポイントを知ることで、対策の優先順位が明確になります。
📌 視点1:論理的思考力(結論→根拠の順で話せているか)
| 視点 | 対策 |
|---|---|
| 「えっと」が多いと、回答の構成が定まらないまま話し始めていると判断されてしまう可能性がある。 結論から話す「結論ファースト」ができているかを見ている。 | PREP法(結論→理由→具体例→結論)を使って回答を組み立てる習慣をつける。 構成が決まっていれば、そもそも「えっと」が入る隙間がなくなります。 |
📌 視点2:コミュニケーションの安定感(緊張下でも落ち着いて話せるか)
| 視点 | 対策 |
|---|---|
| 仕事の現場でも、顧客対応・プレゼン・上司への報告など緊張する場面は日常的にある。 面接はその”模擬テスト”として、プレッシャー下のコミュニケーション力の基礎を見ている。 | 模擬面接を最低3回は行い、録音して自分のフィラーを数える。 「意識するだけ」では直りにくいので、客観的なデータで現状を把握することが第一歩です。 |
📌 視点3:準備の質(この面接にどれだけ本気で臨んでいるか)
| 視点 | 対策 |
|---|---|
| フィラーが少ない就活生は「しっかり準備してきた」と感じさせる。 面接官は”志望度の高さ”を話し方の完成度からも読み取っている。 | よく聞かれる質問(自己PR・ガクチカ・志望動機・短所)は、声に出して3回以上練習してから本番に臨む。 丸暗記ではなく”キーワードだけ覚えて、その場で文章にする”練習がおすすめです |
4.「えっと」を減らす実践トレーニング&テンプレート
1人でできる!フィラー撲滅トレーニング(3ステップ)
以下の手順を、面接本番の1〜2週間前から始めるのがおすすめです。
| ステップ | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| STEP 1:録音する | スマホの録音アプリで、頻出質問への回答を録音する | 5分 |
| STEP 2:書き起こす | 録音を聞き返し、「えっと」「えー」「あの〜」が何回出たかカウントする。出た箇所をメモする | 10分 |
| STEP 3:置き換えて再録音 | フィラーが出た箇所に、本記事の言い換えフレーズまたは「間」を当てはめて、もう一度録音する | 5分 |
💡 コツ:
STEP 1〜3を3日間繰り返すと、驚くほどフィラーが減ります。「自分の声を聞くのが恥ずかしい」という方も多いですが、客観的に聞くことが最速の改善方法になるので、是非試してみてください。
📝 面接回答テンプレート(PREP法ベース)
「えっと」が出にくい回答の”型”を用意しました。穴埋めで使ってみてください。
【結論】はい。私の(強み / ガクチカ / 志望動機)は「__________」です。
【理由】なぜなら、___________という経験を通じて、この力を身につけたからです。
【具体例】具体的には、(サークル / ゼミ / アルバイト先)で___________という課題がありました。
そこで私は___________に取り組みました。
その結果、___________という成果を得ることができました。
【結論(まとめ)】この経験から学んだ「__________」を、御社の___________でも活かしたいと考えています。
💡 使い方のコツ:
このテンプレートの「結論」部分だけ暗記して、残りはキーワードベースで覚えましょう。冒頭の「はい。」を必ず入れることで、「えっと」の出番を最初からブロックできます。
注意点:よくあるNG例
せっかく対策しても、やり方を間違えると逆効果になることがあります。以下の3つに注意してください。
❌ NG例1:回答を丸暗記して棒読みになる
回答を一字一句暗記すると、言葉が飛んだときに焦りやすくなるため、キーワードだけ覚えて、その場で文章にするのが正解です。キーワードだけ覚えて、その場で文章にするのが正解です。
❌ NG例2:「間」を長く取りすぎる(5秒以上)
1〜2秒の間は好印象ですが、5秒以上の沈黙は「固まってしまった」と思われるリスクがあります。長考が必要な場合は、「少しお時間をいただけますか」と一言添えるのがマナーです。
❌ NG例3:言い換えフレーズを不自然に連発する
「そうですね、」「ありがとうございます、」を毎回の回答冒頭で機械的に繰り返すと、それ自体がクセに聞こえてしまいます。場面に応じて使い分けることを意識しましょう。
まとめ
- 「えっと」はフィラー(つなぎ言葉):性格の問題ではなく話し方のクセなので、対策で改善できる
- 代わりに使えるフレーズは場面で使い分ける:「はい。」「そうですね、」「ありがとうございます。」「一言でまとめますと、」など、意味のある言葉に置き換える
- 根本対策はPREP法と事前練習:話す構成を型で固めれば、そもそも「えっと」が出にくくなる
- 録音→カウント→置き換えの3ステップで短期間で改善できる:面接1〜2週間前から始めれば十分間に合う
面接で「えっと」が気になるのは、それだけ真剣に面接に向き合っている証拠です。この記事を読んで対策しようとしている時点で、あなたはすでに一歩リードしています。
完璧を目指さなくて大丈夫。「えっと」を「はい。」に変えるだけで、面接官に与える印象はガラッと変わります。自信を持って面接に臨んでくださいね。応援しています!



