「計画性」と「実行力」をアピールする上で重要なポイント3選!
- 企業が求める「計画性」と「実行力」とは「何か」を知る
- 自己分析を実施し、具体的なエピソードを伝えられるように振り返る
- 経験の大小は関係ない、計画と実行の工夫があれば十分に評価される
以上のポイントを踏まえて、本記事を参考に自己PRの作成やアピール方法を身に付けてみてください。
企業が求める「計画性」と「実行力」とは?
自己PRにおいて計画性と実行力の両方をバランスよくアピールすることは、企業からの評価や信頼を高める重要な要素です。計画性は物事を前もって構造化し、効率的に進行させる能力です。一方、実行力は計画を具体的な行動に移し、目標を達成する力を指します。
この二つのスキルは、ビジネス環境において切り離せない関係にあります。例えば、新しい計画を立ち上げる際、計画性があればその計画の目的、必要なステップ、潜在的な課題を事前に把握し、適切なスケジュールとリソース管理が可能です。しかし、計画をどれだけ精緻に立てても、実行力が伴わなければ計画は単なる理想に終わってしまいます。
企業は、計画性と実行力を備えた人材を求めています。なぜなら、そのような人材は、突然のトラブルや変更に対しても柔軟に対応し、最終的な成果を出す力があると評価されるからです。このため、自己PRで計画性と実行力をうまくアピールすることで、面接官に対して「この人ならば、プロジェクトを成功に導ける」と安心感を与えることができます。
自己PRの例文
「計画性」「実行力」をアピールする際のポイントと注意点を意識した例文を参考にしてみてください。
・「計画性」
私の強みは「計画性」です。未経験からTOEICの勉強を始め、目標スコアを達成するまでの過程でこの力を発揮しました。大学2年の春、英語力を高めたいという思いから、TOEIC600点を目標に学習を開始しました。当時の英語力は基礎レベルで、TOEICの形式すら知らない状態でした。そこで、まず試験日から逆算して3ヶ月間の学習スケジュールを作成し、週ごとに「単語」「文法」「リスニング」「模試」のテーマを設定しました。学習時間は毎日2時間を確保し、進捗をExcelで管理。週末には模試を実施し、結果をもとに翌週の学習内容を調整することで、計画を柔軟に運用しました。このように、目標達成に向けて計画を立て、実行・改善を繰り返した結果、初回受験で目標スコアを上回る650点を取得することができました。
・「実行力」
私の強みは「実行力」です。未経験からTOEICの学習に挑戦し、目標スコアを達成するまでの過程で、困難に直面しながらも粘り強く行動し続ける力を発揮しました。大学2年の春、英語力を高めたいという思いからTOEIC600点の取得を目標に掲げました。当初は英語に苦手意識があり、TOEICの形式すら知らない状態でしたが、「まずやってみよう」と決意し、参考書を購入して学習を開始しました。学習を進める中で、思うように点数が伸びず、モチベーションが下がる時期もありました。しかし、そこで諦めるのではなく、勉強法を見直し、リスニングは毎日通学中に音声を聞く、単語はアプリで隙間時間に復習するなど、生活の中に学習を組み込む工夫をしました。また、模試の結果をもとに弱点を洗い出し、苦手分野に重点を置いた学習に切り替えるなど、柔軟に対応しながら継続しました。その結果、初回受験で目標を上回る650点を取得することができました。
「計画性」と「実行力」の違いは?
特徴を一言で表した場合 | 付随するPRポイント | |
計画性 | 先を見据えて準備する力 | 段取り/効率/リスク管理 |
実行力 | 考えたことをやり切る力 | 行動力/継続力/責任感 |
両者の使い分けのポイントは、「自分の経験のどこに力を発揮したか」です。下記の例を参考に振り返ってみましょう!
計画性
準備に力を入れた経験や進め方を考えた経験
実行力
行動して成果を出した経験
「計画性」をアピールするポイント2選
①計画の緻密さ
計画性をアピールするためには、計画性の緻密さが重要となります。ただ計画を立てるだけでは、誰にでもできるためアピールポイントにはなりません。そのためなぜその計画になったのかを話せるように準備をしましょう。計画を立てる上で、目的やゴールが明確になっており「誰が」「いつ」「何をするのか」といったタスクが具体的に決まっている状態を指します。
②柔軟性
計画を立てたとしても計画通りにいかない場合があります。そのような時に重要なのが柔軟性です。予期せぬトラブルや変更などで計画の一部が変わってしまっても柔軟に対応し、目的やゴールを達成することが重要です。ビジネス環境は変化が激しく、計画通りに進まないことが前提のため柔軟性をアピールすることで企業に評価してもらうことができます。
「実行力」をアピールするポイント2選
①迅速な行動力と継続力
計画を立てた後にすぐに行動を開始することが重要です。これにより、計画が現実のものとなり、目標達成へと一歩近づくことができます。例えば、知識は身に付けるだけでは意味がなく、実際に行動し活用することで意味をなします。それと同様に、立てた計画や目標に対してすぐに行動できるという点は、社会で働くうえで評価されるポイントとなります。
一度始めたことを途中で投げ出さず、最後までやり抜く継続力をアピールすることで困難に直面してもあきらめず、問題解決に取り組む姿勢を評価してもらうことができます。
②適応力
行動していく中で、状況の変化に柔軟に対応し、必要に応じて計画を修正しながら行動を進めることができます。この適応力により、変化の激しいビジネス環境でも成果を上げることが可能です。適応力をアピールするためには、具体的なエピソードを話す際に行動の中で「どのような変化があったのか」「その変化はどのような影響を与えるのか」を伝えられるようにしましょう。
自己PRで「計画性」と「実行力」をアピールする際の注意点
計画性が短所に見えないようにする工夫
計画性をアピールする際、過剰な計画の立てすぎが短所として捉えられることがあります。このため、計画を実行に移すまでの柔軟性や臨機応変さを強調することが重要です。例えば、計画に対して予期せぬ変更が生じた際に迅速に対応した経験を述べることで、計画性が硬直的ではないことを示すことができます。また、計画の各段階での進捗確認やフィードバックの取り入れ方も具体的に説明することで、計画が成功へと導いた過程を明らかにすることが出来ます。これにより、計画性の柔軟さと実行力のバランスをうまくアピールすることが可能です。具体例として、学業やイベントなどの企画の計画の立て方を挙げつつ、その成果とともに適切な調整を行ったエピソードを紹介することが有効です。
明確な結果や目標を達成したエピソードを選定する
実行力をアピールする際は、特に明確な結果や達成した目標を具体的に述べることが重要です。具体的に「何を」「どのように」実行したかを説明し、結果として「何を達成したか」を詳細に語ることで、実行力の真価を伝えることができます。例えば、ある課題解決のために具体的な行動を起こし、その結果として期限内達成や売上向上が実現したエピソードなどが挙げられます。また、実行の過程で直面した困難をどのように乗り越えたのか、問題解決能力や適応力の面も強調すると尚良いです。これによって、単なる意欲だけでなく、結果を伴った実行力を企業に効果的にアピールすることが可能となります。具体例として、インターンシップやアルバイトでの経験を通じて培った実行力を、解決した問題とその対応の詳細とともに述べることが良いでしょう。
計画性と実行力をアピールする効果的な自己PR作成手順
①自己分析を実施する
過去の経験で、「計画性」や「実行力」を発揮した経験があるのかどうかを振り返りましょう。自分が過去に何かを達成した経験や困難を乗り越えた経験を中心に振り返ることで、PRポイントの「計画性」や「実行力」の原体験を振り返ることができる可能性があります。
・振り返るべき経験例
- 資格取得のために計画的に学習した経験(英検、漢検、TOEIC、宅建、ITパスポートなど)
- イベントなどの企画や運営をした経験(学園祭、懇親会、送別会、BBQなど)
- 何か新しいことに取り組んだ経験(留学、インターンシップ、アルバイト、資格取得など)
- スケジュール管理をした経験(就活の準備、資格取得の勉強、学業の課題など)
もし自分一人で過去を振り返ってもうまくいかない場合には、周囲の人からフィードバックをもらいましょう。身近な家族や友人などの自分をよく知っている人々に聞き客観的な意見を知ることで新たな発見もあるかもしれません。
②エピソードの選定
エピソードを選定する上で経験の大小は関係ありません。計画性と実行力が備わっていれば、エピソードとして十分に活用することができます。例えば、アルバイトの経験の中でお客様の満足度を向上させると目標を立てた場合に、「なぜ満足度を向上させようと思ったのか」「どのように満足度を向上させるのか」「どのような計画で満足度を向上させようと思ったのか」「どのようなことを実行したのか」などそれぞれを細かく振り返り、具体的に伝えることで採用担当者にも十分アピールすることができます。
仮にチームでの経験のエピソードを活用する場合には、間接的にチームワークやコミュニケーション能力もアピールすることができます。ただチームでの経験のエピソードを選ぶためには、チーム内での自分の役割が明確化されており、どのような役割を果たし成果を残したのかを示すことができる場合にしましょう。
③企業での活かし方を考える
企業での活かし方を考えるためには、まず企業について知ることが大切です。HPなどに掲載されている事業内容や文化風土などはもちろんのこと、可能であれば自分が応募した職種ではどんな仕事をどのくらいの目標をもって取り組むのかなども理解しておくと非常に良いです。
企業について理解をした上で、「計画性」と「実行力」を活かすことができるのかをアピールしましょう。例えば、強みである計画性が営業として目標に対してどのような計画を立て行動するかなどです。
まとめ:自己PRで「計画性」と「実行力」を的確にアピールする方法
まず自己PRで「計画性」と「実行力」を的確にアピールするためには、なぜ企業が「計画性」と「実行力」を身に付けた人材を求めているのかを適切に理解することから始めましょう。
理解したうえで、「計画したこと」「実行したこと」を具体的に伝える必要があります。ここでのエピソードの経験の大小は、関係ありません。「なぜその目標を立てたのか」「どのように」「どのような計画を立てたのか」「なぜそのような計画になったのか」「どのようなことを実行したのか」などを具体的に伝えられるように準備しましょう。より原体験(過去の経験)の振り返りを実施することで深堀りの質問に対しても対応できるようになります。
「なぜその目標/課題に対して取り組もうと思ったのか」「課題を解決するための行動は、なぜその選択肢だったのか」「そのPRポイントを活かして企業でどのように活躍するのか」などが挙げられます。
中でも、「そのPRポイントを活かして企業でどのように活躍するのか」については、企業の事業内容や職種の業務内容を理解していないと内容が薄くなってしまうため、事前の企業研究を入念に実施し、回答できるように準備しておきましょう。