エントリーシートの「挑戦したこと」は、すごい実績よりも「目的を持って動いた過程」が伝わるかどうかが大切です。
挑戦が思い浮かばない学生のみなさま向けに、題材の見つけ方、書き方の型、文字数調整、業界別の見られ方を整理します。
自己分析から企業選びまでつなげて、面接で深掘りされても答えられる文章に整えましょう。
この段階で「そもそも何を“挑戦”として選ぶべきか」「自己PR・志望動機とどう一貫させるか」で迷う場合は、第三者の視点で軸を整理してから書き始めるという方法もあります。
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この記事で分かること(目次)
- エントリーシート(ES)で「挑戦したこと」を聞かれる理由
- 企業が求めている「挑戦」の定義
- エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」でよく使われるテーマ例
- エントリーシート(ES)に書く「挑戦したこと」が思い浮かばないときの見つけ方
- エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」の書き方テンプレ
- ESにおける「挑戦したこと」の書き方のコツ
- 文字数別:エントリーシート「挑戦したこと」の書き方
- 業界別に意識したい、ES「挑戦したこと」における書き方のポイント
- エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」でよくあるNGパターン
- ESの「挑戦したこと」から自己PR・志望動機へつなげる方法
- ESの「挑戦したこと」を伝わる形に整えよう
エントリーシート(ES)で「挑戦したこと」を聞かれる理由
エントリーシート(ES)において「挑戦したこと」は、経験の派手さではなく“仕事にもつながる姿勢”を読み取る設問として使われることがあります。
なぜ企業はこの質問をするのでしょうか。まずは企業側の意図を押さえると、書くべき内容がブレにくくなります。
企業が確認したいポイントは主に以下の3点です。
- 困難への向き合い方を知りたい
- 成長意欲や学び方を見たい
- 自社での再現性を確かめたい
それぞれについて詳しく解説します。
困難への向き合い方を知りたい
順調だった話よりも、壁にぶつかったときにどう考え、どう動いたかが見られることがあります。
仕事においてトラブルや難題はつきものです。
そのような状況下で、あなたが逃げずに課題を直視できるか、どのような論理で解決策を導き出すかといった課題の捉え方や粘り強さは、業界を問わず評価ポイントになりやすい要素です。
成長意欲や学び方を見たい
挑戦の結果そのものより、振り返って次に活かす力が伝わるかが大切です。
成功体験だけで終わらせず、「なぜうまくいったのか」「失敗から何を学んだのか」を言語化できる人は、入社後に未経験の業務に直面しても、自ら学び成長していけると期待されやすくなります。
自社での再現性を確かめたい
同じ状況を再現できなくても問題ありません。大切なのは、あなたの行動の理由や工夫が、志望先の仕事や環境でも活きそうかが伝わることです。
「この学生の課題解決のアプローチは、うちの業務フローやチームの雰囲気と合っているな」と採用担当者にイメージさせることが、選考通過への近道となります。
企業が求めている「挑戦」の定義

「挑戦」は特別な大会や留学だけを指すわけではありません。「挑戦=誰もやったことがないすごいこと」とハードルを上げすぎていませんか。
企業がエントリーシートにおける“挑戦”として受け取りやすいものには共通点があります。日常の小さな出来事でも、以下の要素が含まれていれば立派な挑戦になります。
- 自分で決めた目標に向けて動いた
- 壁にぶつかったときの工夫がある
- 結果より学びが言語化できている
あなたがエントリーシートで書こうとしている内容は、企業が挑戦として受け取りやすい共通点に当てはまっているか確認してみましょう。
自分で決めた目標に向けて動いた
誰かに言われたからではなく、自分で「こうしたい」と決めて動いたことは挑戦として伝わりやすいです。
受動的にやらされたことよりも、小さくても「もっと良くしたい」「ここを変えてみたい」という意思決定が入っていると、仕事に必要な主体性がにじみ出ます。
壁にぶつかったときの工夫がある
苦労の大きさよりも、課題に対してどう工夫したかが重要です。
ただ努力したという精神論だけでなく、どのような仮説を持って試したか、うまくいかないときに何をやめたか、どう改善したかというプロセスが書けると、論理的思考力や行動力の説得力が上がります。
結果より学びが言語化できている
成功でも失敗でも構いません。素晴らしい成果が出たとしても、そこからの学びがなければ「たまたま運が良かっただけ」と見なされることもあります。
反対に結果が出なくても、その経験をどう受け止め、次にどう活かすかまで書けると、成長の再現性が伝わります。
エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」でよく使われるテーマ例
題材はよくあるもので問題ありません。企業が知りたいのは、題材よりもあなたの考え方と行動です。
多くの就活生が選ぶテーマであっても、そこに至る動機や工夫は人それぞれ異なります。以下の代表的なテーマから、あなたらしいエピソードを探してみましょう。
アルバイト
アルバイトは、多くの学生が経験しており、共感を得やすいテーマです。改善提案や業務効率化、後輩育成、接客の工夫などが書きやすいでしょう。
「お客様を笑顔にした」といった抽象的な表現よりも、「提供スピードを上げるために動線を変えた」のように、「何を変えたか」が一文で言える具体的な題材を選ぶのがコツです。
関連記事:エントリーシートに書くアルバイト経験の書き方について例文とともに解説
サークル・部活
サークル・部活は、組織の中での関わり方をアピールするのに適しています。目標設定や役割分担、練習メニューの改善、イベント運営などが題材になります。
特に、意見が対立した際の合意形成や、モチベーションが低いメンバーへのコミュニケーションの工夫が入ると、組織で働くイメージが湧きやすくなり説得力が上がります。
学業・ゼミ・研究
学業・ゼミ・研究は、学生の本分である学業への取り組みで、真面目さや専門性を伝えるのに有効です。
研究テーマの選定理由における工夫や調査方法の改善、発表でのわかりやすい伝え方、厳しい締切管理などが書けます。
ただし、専門用語の多用は避け、専門外の読み手が理解できる平易な言葉に置き換える配慮が必要です。
インターンシップ&キャリア
インターンシップ&キャリアは、仕事への解像度の高さをアピールできます。
「指示待ちではなく主体的に動いた場面」「自分の提案が社員に採用された背景」「実務を通して得た学びの深さ」が書きやすいポイントです。
ただし、守秘義務に配慮し、企業の固有の数値や機密情報は絶対に書かないようにしましょう。
関連記事:インターンシップのエントリーシートの書き方と例文、提出マナーについて
留学・ボランティア・創作活動
留学・ボランティア・創作活動は、多様性への適応力や継続力を示す良い材料です。
環境変化への適応や、文化や価値観の違いの中での工夫、成果が出るまで継続して取り組んだ姿勢などが強みになります。
ここでも成果の大小(何カ国行った、何人集めたなど)ではなく、その過程でのあなた独自の工夫と学びを中心に構成しましょう。
エントリーシート(ES)に書く「挑戦したこと」が思い浮かばないときの見つけ方
「挑戦したことがない」と感じるときは、題材の探し方が合っていないだけのこともあります。次の手順で棚卸しすると見つかりやすくなります。
大きなイベントだけを思い出そうとせず、日常の些細な変化や意思に目を向けてみましょう。以下のステップで整理を進めてみてください。
- 大学生活をジャンルで棚卸しする
- 小さな挑戦もOKと定義を広げる
- 課題解決の経験として捉え直す
- 企業の人物像と接続して選ぶ
それぞれのステップで何をすべきか解説します。
大学生活をジャンルで棚卸しする
まずは経験を種類で出していきます。思い出す順番を工夫すると、抜け漏れが減ります。以下の例のように、カテゴリごとに何に時間を割いたか書き出してみましょう。
例:学業/ゼミ・研究/サークル・部活/アルバイト/インターンシップ&キャリア/資格学習/ボランティア/創作活動/家族の手伝いなど
棚卸しが広がらないときは、頭の中の連想を広げやすいマインドマップで経験を書き出す方法もあります。中心に「自分」を置き、そこから派生する活動を自由に広げていくことで、忘れていたエピソードが見つかることがあります。
関連記事:マインドマップを使った自己分析のやり方とは?就活での活用例も紹介
小さな挑戦もOKと定義を広げる
「初めてやったこと」「苦手を克服しようとしたこと」も立派な挑戦です。リーダー経験や優勝経験である必要はありません。
たとえば、ゼミの発表で質疑応答に答えられるよう準備方法を変えたことや、アルバイトの接客でお客様への提案の言い回しを改善したことなども、目的意識があれば十分な題材になります。
課題解決の経験として捉え直す
挑戦を「かっこいいエピソード」ではなく、「課題を見つけて、改善した経験」と捉えるとよいでしょう。
以下の3つの視点で過去の行動を振り返ってみてください。
- 何に困っていたか(当時の不満や不便さは何か)
- なぜそれを放置しないと思ったか(改善しようとした動機)
- 何を試して、どう変わったか(具体的な行動と変化)
企業の人物像と接続して選ぶ
題材は、強そうに見える話よりも、志望先で活きそうな力が伝わる話を選ぶのがコツです。
たとえば、スピード感を重視するIT企業なら「短期間で習得した経験」、チームワークを重視するメーカーなら「周囲と協力して成し遂げた経験」など、募集職種や社風に合わせて、挑戦の中で発揮した強みを寄せていきましょう。
自己分析が整理しきれない場合は、「適性診断MATCH plus」を使ってみるのもおすすめです。診断結果をそのまま書くのではなく、自分の行動の癖や強みの言語化に活かすイメージで使うと、エピソードの整理がしやすくなります。

エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」の書き方テンプレ
読み手が理解しやすい型に当てはめると、内容がぶれにくくなります。
思いついたまま時系列で書くと、要点がぼやけてしまいがちです。以下の順で構成を組み立てると、論理的で、かつ面接で深掘りされても答えやすい文章になります。
何に挑戦したか
最初に「私が挑戦したことは○○です」と一文で言い切ります。
ここで「アルバイトを頑張りました」といった抽象的な表現ではなく、「カフェのアルバイトで回転率の向上に取り組みました」のように、具体的な活動名や状況を入れるのがポイントです。
読み手が瞬時に場面を想像できるようにしましょう。
なぜ挑戦だと思ったか
「なぜそれをやろうと思ったのか」「何を変えたかったのか」という動機を短く書きます。
ここが弱いと、ただ言われたことをやっただけに見えてしまい、挑戦の必然性が伝わりにくくなります。あなたの価値観や主体性が表れる部分です。
困難や壁は何か
取り組みの中でうまくいかなかった点や、当時の制約条件(時間がない、人が足りないなど)を書きます。課題が具体的であればあるほど、後半の工夫が際立ちます。
「なんとなく大変だった」ではなく、何が阻害要因だったのかを明確にしましょう。
工夫と周囲の巻き込み
課題に対してどう考え、何を試したかを書きます。
単発の行動で終わらせず、「Aを試したがダメだったため、Bに変えた」というような試行錯誤や改善の流れがあると説得力が上がります。
また、自分一人だけでなく、周囲をどう巻き込んだかにも触れるとよいでしょう。
学びを次へどう活かすか
結果は過度に盛らず、事実ベースで書きます。大切なのは結果の数値よりも、そこから何を得たかです。
最後に「この経験から学んだ○○を、貴社の業務においても活かしたい」といった形で入社後の行動まで一文でつなげると、志望動機との一貫性が出ます。
ESにおける「挑戦したこと」の書き方のコツ

同じ題材でも、書き方で伝わり方が大きく変わります。評価されやすい文章の共通点を押さえましょう。
- 数字や事実で具体化する
- 主語を「自分」に戻し、他責にしない
- 友達やチームとの関わりを入れる
- 自慢話にせず成長のプロセスにする
- 自己PR・志望動機と一貫させる
それぞれ重要なポイントですので、詳しく解説します。
数字や事実で具体化する
「一生懸命頑張った」「たくさん工夫した」といった形容詞だけでは、読み手に具体的なイメージが伝わりません。可能な範囲で、回数・期間・役割・改善前後の数値変化など事実を入れましょう。
正確な数字が出せない場合は「週に3回」「メンバー10名」など、規模感がわかる程度でも構いません。
主語を「自分」に戻し他責にしない
うまくいかなかった理由を環境や他人のせいにすると、学びが弱く見えることがあります。
「店長が厳しかったからできなかった」ではなく、「店長とのコミュニケーション不足を解消するために、報告のタイミングを変えた」のように「自分が変えられる部分にどう向き合ったか」を中心に書くと印象が安定します。
友達やチームとの関わりを入れる
個人の挑戦であっても、周囲との連携があると仕事の再現性が伝わりやすいです。
会社組織では一人で完結する仕事はほとんどありません。協力の引き出し方、意見のまとめ方、相談の仕方などを一文入れるだけでも、「組織の中でうまくやっていけそうな人だ」という評価につながります。
自慢話にせず成長のプロセスにする
成果が大きいほど、つい成果の羅列(売上No.1、優勝など)になりやすいですが、ESの目的は自慢ではありません。
成果についての記述は短くし、代わりに「その判断をした理由」「改善の過程で悩んだこと」「得られた学び」の部分を厚く書くと、人柄が伝わり読まれる文章になります。
自己PR・志望動機と一貫させる
ESは設問ごとに別物として読むより、一人の人物像として読まれます。
挑戦したことで「コツコツ継続するのが得意」と書いているのに、自己PRで「瞬発力が武器」と書いていると、矛盾を感じさせてしまいます。
挑戦したことで出した強みが、自己PRや志望動機にも自然につながるか確認しましょう。
自己PRの文章化で手が止まる場合は、強みを伝える型(テンプレ)に当てはめると整えやすくなります。
関連記事:就活の自己PRをエントリーシートにどう書く?例文とテンプレを紹介
文字数別:エントリーシート「挑戦したこと」の書き方
文字数が変わると、残すべき要素も変わります。削る順番を決めておくと、調整が速くなるため、下記の表を参考にしてください
| 200字 | 結論 + 工夫 + 結果/学び (※背景・課題は最小限) |
| 400字 | 200字の要素 + 背景 + 困難・壁 + なぜその工夫か |
| 600字 | 400字の要素 + 試行錯誤のプロセス(Before/After) + 具体的な制約条件 |
指定文字数に合わせて、どの要素を厚くし、どの要素を削るべきか、それぞれの目安と例文を紹介します。
ES「挑戦したこと」200字の書き方例文:結論と工夫を優先する
結論→課題→工夫→学びの順で、背景は最小限にします。数字や固有名詞を入れて「状況が浮かぶ」ことを優先しましょう。
例文
私が挑戦したことは、学内食堂のアルバイトで提供遅れを減らしたことです。
昼ピークに1時間で約120食が集中し、待ち列が伸びて平均提供8分が課題でした。
2週間、動線を観察して盛り付けを「先出し3品」に固定、伝票の置き場も1カ所に統一。さらに声かけを合図制にして連携を揃え、提供を8分→5分に短縮し、待ち時間の指摘も週4件から1件に減りました。
改善点を数値で確認し、次の打ち手を決める重要性を学びました。
ES「挑戦したこと」400字の書き方例文:困難と学びを深く書く
200字の骨格に「なぜその工夫を選んだか」「何が難しかったか」を1段深く足します。学びは抽象語で終わらず、次の行動につながる形で締めます。
例文
私が挑戦したことは、マーケティングゼミで行った購買行動調査の精度改善です。
新商品が選ばれる理由を説明できるようになりたいと思い、学生の購入意思決定をテーマに研究しました。初回アンケートは回収率が23%と低く、自由記述もばらつき、仮説検証が進みませんでした。
原因は設問が長く回答負担が高い点だと考え、回答に必須の項目を10問に絞り、選択肢は「価格・機能・口コミ」など比較軸をそろえて作り直しました。さらに友人8人でテスト回答し、迷う表現を修正。配布方法も授業後の一斉依頼から、対象者に合わせた個別依頼へ変更しました。
その結果、回収率は23%→61%となり、仮説ごとの差が見えるデータを得られました。
難しかったのは、削り過ぎると検証できず、残すと負担が増える点で、目的から逆算して取捨選択する重要性を学びました。
今後も、相手の負担と必要情報のバランスを取り、検証できる形に落とし込んで改善します。
ES「挑戦したこと」600字の書き方例文:背景と行動プロセスを補足する
600字は、背景や制約条件、改善の試行錯誤を足してもよい分量です。読みやすさのため、行動は時系列か、施策ごとの箇条書きに寄せるのも有効です。
例文
私が挑戦したことは、テニスサークルの新歓で体験参加者を増やしたことです。
前年は体験者18人で入会が伸びず、私は広報係として「体験者40人」を目標にしました。活動期間は3週間、予算は印刷費1万円、運営は5人という制約がありました。
まず原因を分けるため、体験後アンケート(回答14件)とSNSの反応を確認し、「開催日が分かりにくい」「初参加の不安が残る」「当日のイメージが湧かない」が課題だと整理しました。そこで、効果を見ながら試行錯誤を2段階で実施しました。
・第1週:投稿頻度を週2→毎日に増やし、告知画像を統一(反応は微増で予約は伸びず)
・第2週:投稿冒頭に日程・集合場所・持ち物を固定表示し、初心者向けの流れ(30分基礎→ミニゲーム)と「未経験でも参加可」を明記
・第3週:体験当日に次回の予約をその場で取れるフォームを用意し、友人紹介カードを配布。参加後24時間以内にお礼連絡も送付
難しかったのは、経験者メンバーから「強いプレーを見せたい」という意見が出て内容がぶれた点です。そこで目的を「不安を減らし参加の一歩を作る」にそろえ、当日の役割(受付・基礎・ゲーム進行)を固定して運営負担も抑えました。
結果、体験参加は18人→45人、入会は7人→16人に増えました。学びは、不安の原因を特定し、情報設計と導線で解消すると成果につながる点です。今後も、制約条件を踏まえて課題を分解し、効果を確認しながら改善を回します。
業界別に意識したい、ES「挑戦したこと」における書き方のポイント
同じ挑戦でも、強調すると響きやすい点が変わることがあります。志望業界に合わせて見せ方を調整しましょう。
企業は自社の業務で活躍できる人材を探しています。業界ごとの業務特性に合わせて、エピソードの中でどの能力を際立たせるかを意識すると、評価されやすくなります。
コンサルは課題設定と仮説検証
コンサルティングの業務は、クライアントが抱える複雑な問題を解きほぐし、解決策を提示することです。
そのため、単に「頑張って解決した」という結果だけでは物足りず、「なぜその解決策を選んだのか」という思考のプロセス(論理性)が強く求められます。
具体的には、闇雲に行動するのではなく、「データを見てここが原因だと仮説を立てた」「A案とB案を比較して、効果が高いA案を選んだ」といった判断の理由を明確に書くことがポイントです。
「なんとなく」ではなく「事実と論理に基づいて動ける」ことを示せると、コンサルタントとしての素養が伝わりやすくなります。
商社は巻き込みと粘り強さ
商社の仕事は、異なる利害関係を持つ多くの企業や人と関わりながら、ビジネスを成立させることです。ときには板挟みになったり、交渉が難航したりすることもあります。
そのため、困難な状況でも諦めずにやり抜く精神的なタフさや、立場が違う人を説得して協力してもらう人間関係構築力が重視されます。
エピソードでは、自分一人で完結した話よりも、チーム内での意見対立を調整した経験や、非協力的な相手に対して何度も働きかけて信頼を得た経験などが好まれます。
泥臭いことでも逃げずに向き合う姿勢が文章からにじみ出ると、商社パーソンとしての適性を感じてもらいやすくなるでしょう。
メーカーは計画性と改善
メーカーは、製品を安定して供給するために、計画通りに物事を進める力や、ミスなく品質を保つ姿勢を大切にします。また、既存の製品や工程を少しずつ良くしていく改善の文化が根付いています。
そのため、思いつきの行動よりも、「目標から逆算してスケジュールを立てた」「一度の成功で終わらせず、ミスが起きない仕組みを作った」といった、計画性や几帳面さが伝わる書き方が評価されやすい傾向にあります。
派手さはなくても、地道にコツコツと改善を積み重ねたプロセスは、メーカーにおいて信頼される要素になります。
ITは学習速度と試行錯誤
IT業界は技術の進化が非常に速く、新しいツールや知識を常に学び続ける必要があります。また、最初から完璧な正解を求めるのではなく、素早く作ってテストし、修正を繰り返す(アジャイルな)動き方が求められることが多いです。
この業界を目指す場合は、「未経験の領域でも自ら調べて習得した経験」や「失敗を恐れずにまず試してみた経験」が強みになります。
完璧主義になりすぎて動けなくなるよりも、走りながら学び、変化に対応できる柔軟性を示すことが、IT業界での成長ポテンシャルを感じさせるポイントです。
金融は誠実さと正確性
銀行、証券、保険などの金融業界は、お客様の大切な資産を扱うため、信用が何よりも重要です。大きなリスクを取る大胆さよりも、決められたルールを確実に守る誠実さや、数字や情報の正確さが求められます。
エピソードとしては、サークルの会計係や店舗の金銭管理などにおいて、「ミスを防ぐために二重チェックを徹底した」「ルールが曖昧だった部分を明確化した」といった、責任感の強さが伝わる内容が適しています。
地味に見える作業であっても、それを疎かにせず丁寧に遂行できる姿勢は、金融業界では大きく評価されることがあります。
広告・マスコミは発想と伝える力
この業界の仕事は、情報を多くの人に届け、心を動かすことです。そのためには、独りよがりな表現ではなく、相手(読者や視聴者)が何を求めているかを徹底的に考える視点が欠かせません。
「面白い企画を立てた」というだけでなく、「ターゲットを分析して、刺さる言葉を選んだ」「反応を見て伝え方を工夫した」というように、相手目線での工夫を書くことが大切です。
自分のアイデアを形にし、それが相手にどう届いたかという結果まで書けると、強くアピールできます。
エントリーシート(ES)の「挑戦したこと」でよくあるNGパターン
少し直すだけで、読み手の印象が大きく変わることがあります。該当しやすいポイントを先に潰しておきましょう。
せっかくのよい経験も、表現一つで損をしてしまうことがあります。以下のNGパターンに当てはまっていないか、提出前に確認してみてください。
抽象的で状況が見えない
「頑張った」「工夫した」「成長した」といった言葉だけでは、具体的に何をしたかが伝わりません。「何を、いつ、どの立場で、何を変えたか」という事実を入れるように修正しましょう。
成果だけで過程がない
「売上が上がった」「賞を取った」という結果だけを強調しても、再現性は伝わりません。なぜその成果が出たのか、「課題→行動→改善」の流れを1段入れて、プロセスを説明することが大切です。
自己中心的に見える
「自分の力で周りを動かした」という書き方は、協調性がないと受け取られるリスクがあります。相手の状況を理解し、どうやって協力を得たか、相手にどうメリットを提示したかといった配慮を書くようにしましょう。
嘘や誇張に見える表現
「誰よりも」「必ず」「絶対」といった強い言葉は、根拠がないと逆効果になることがあります。事実ベースの表現に寄せ、客観的な根拠が示せない断定的な表現は避けるのが無難です。
専門用語が多く伝わらない
読み手はその分野の専門家とは限りません。特に研究内容や部活の専門用語は、一般語に言い換えるか、必要なら短く補足を入れるなどして、誰が読んでもわかるように配慮しましょう。
ただし、挑戦したこと=応募する業界の専門性と同じ場合(たとえばマーケティング業界の応募に、マーケティングインターンシップ&キャリア経験を書く場合など)は、業界用語をある程度使用し書くことで実践的な経験をアピールすることができます。
場合によっては専門用語を書くこともおすすめですので、志望する企業に合わせて柔軟に変更してください。
ESの「挑戦したこと」から自己PR・志望動機へつなげる方法
「挑戦したこと」は、ES対策だけでなく、企業選びの軸づくりにも使えます。就活の全体像の中で位置づけると、判断が楽になります。
挑戦の軸から向いている環境を整理する
挑戦の文章を作ると、自分が力を出しやすい条件が見えてきます。
たとえば、裁量があると燃えるのか、チームで改善する方が動けるのか、などです。ここが整理できると、企業選びの判断の負担が減ります。
さらに、この段階で企業側がどんな学生を求めているかも把握しておくと、ミスマッチが減るでしょう。
マイナビ新卒紹介は、企業の採用情報を熟知しています。1社ごとにマイナビ新卒紹介の担当者がいるため、担当者を通して企業の採用基準や選考で重視されるポイントなど、採用担当者目線の情報を把握しています。
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インターンと本選考で見られやすい観点の違い
企業や職種によっても異なりますが、インターンシップ&キャリア選考と本選考で見られやすい観点の違いがあります。
| インターンシップ&キャリア選考 | 本選考 | |
|---|---|---|
| 評価ポイント | 「この学生は成長しそうか?(学習意欲)」「プログラムに参加して活躍できるか?(主体性)」 | 「入社して成果を出せるか?(再現性)」「長く働いてくれそうか?(マッチ度)」 |
| 「挑戦」の見方 | 挑戦の「姿勢・意欲」を見ている。失敗してもいいから、前に踏み出す力があるか。 | 挑戦の「プロセス・結果」を見ている。困難な壁にぶつかったとき、どう乗り越える思考力があるか。 |
| 注意した方が良い印象 | 「受け身(教えてもらう姿勢)」「失敗を恐れて動かない」 | 「(再現性がない)」「困難から逃げる(早期離職リスク)」 |
インターンシップ&キャリアでは志望度、マッチ度、将来性、主体性が確認されることがあります。一方、本選考では長く働いてくれそうかが見られることがあります。
ESの「挑戦したこと」は、どの場面でもあなたの考え方を伝える材料になります。応募段階に合わせて、強調する要素を微調整しましょう。
エントリー前に確認したいこと
書き上げたら、次の3点だけは確認しておくと安心です。
提出ボタンを押す前に、採用担当者になったつもりで自分のESを読み返してみましょう。
- 志望職種で活きる強みにつながっているか
- 深掘り質問に口頭で答えられるか
- 自己PRや志望動機と矛盾していないか
あわせて、面接準備として逆質問の考え方を整理しておくと、受け答え全体の一貫性を整えやすくなります。逆質問の作り方に迷う場合は、下記も参考になります。
関連記事:「何か質問はありますか?」企業へ逆質問するときのポイント
ESの「挑戦したこと」を伝わる形に整えよう
ESの「挑戦したこと」は、派手な実績を示す欄ではなく、目的を持って動いた過程(課題の捉え方・工夫・学び)から、入社後にも再現できる姿勢を伝える設問として見られることがあります。
書くときは「何に挑戦したか」を一文で示し、目的と壁を具体化し、壁に対して何を試してどう改善したか、学びを次の行動や仕事での活かし方までつなげると、読み手にも面接でも伝わりやすくなります。
題材選びや言語化、一貫性づくりで迷う場合は、第三者の視点を入れて整理すると進めやすくなることがあるため、就活の進め方や企業選びの軸から面談したいときはマイナビ新卒紹介の活用もご検討ください。
学生のみなさまは無料で利用でき、就活の自己分析からエントリーシートの添削、企業探しまでご支援させていただいています。
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