知っていると役立つ!採用情報の見方
企業の採用情報(募集要項)を見ていて、「これはどういう意味だろう」と疑問に思ったことはありませんか?ここでは、採用情報を理解する上で知っておきたいこと、よくある疑問点について解説します。
業種と職種の違いは?
業種とは、企業が行っている事業や企業が属している業界を指します。例えば、「食品」「IT」「建設」「金融」「製造」などがあります。
職種とは、仕事の種類を指します。「営業」「経理」「広報」「人事」「開発」など、仕事の内容に応じた分類です。業種と職種を用いて仕事内容を表現すると、例えば、「食品業の広報の仕事」「金融業の営業の仕事」「建設業の経理の仕事」といった形です。
勤務時間の見方
勤務時間に関わるキーワードについて解説します。
固定時間制とは?
固定時間制とは、多くの企業が採用している勤務時間の形式で、1日の始業と終業の時間を決まった時間に定めるものです。これを所定労働時間といいます。
就職情報サイトの採用情報に記載されている勤務時間は、所定労働時間を指し、時間外労働の時間を含んでいないケースが一般的です。実際の勤務では所定労働時間に加えて、時間外労働が別途発生する可能性があります。
- 勤務時間の表記例
- 「9:00〜18:00(休憩60分)」
フレックスタイム制とは?
フレックスタイム制とは、1ヶ月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間をあらかじめ定めて、その範囲内で始業時間と終業時間を自分で決めて勤務する制度です。フレックスタイム制の場合、始業と終業を自由に調整できますが、必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)が設けられていることが多いです。清算期間の総労働時間を超えた勤務は「時間外労働」です。
- 勤務時間の表記例
- 「8:00〜22:00(コアタイム 11:00〜15:00)
の間でのフレックスタイム制(標準労働時間 7.5時間/日)」
この場合、例えば、8:00〜16:30(休憩60分)、10:00〜18:30(休憩60分)などの勤務が可能です。
給与の見方
初任給とは?
初任給とは入社して最初に受け取る給与を指します。就職情報サイトの採用情報は月給で記載されている場合が多いです。
採用情報の給与は「額面」か「手取り」か?
フレックスタイム制とは、一カ月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間をあらか一般的に採用情報に記載されている給与の金額は「額面」です。「額面」とは、税金(所得税・住民税)、社会保険料などを差し引く前の給与額を指します。
「手取り」とは、税金(所得税・住民税)、社会保険料などが差し引かれて手元に残る金額です。企業によっては、税金(所得税・住民税)、社会保険料のほかに、組合費などの制度がある場合、それに応じた金額が差し引かれることもあります。
年収はいくらになるのか?
採用情報の初任給は月給が記載されているケースが多いですが、年収にするとどのくらいの給与を受け取ることになるのでしょうか?
企業によって異なりますが、月給とは別に「賞与(ボーナス)」や「成績に応じた報奨金(インセンティブ)」などが支給されるケースがあり、その場合は、年収にすると「月給×12カ月」以上の給与を受け取ります。
また、初任給の欄の記載金額が残業代を含めた金額なのか、それともその金額に加えて残業代が別途支給されるのかによっても実際に受け取る金額は変わります。
昇給・賞与とは?
就職情報サイトの採用情報に記載されている昇給とは、一般的に、定期的に受け取る月給等の金額がアップすることです。
例えば、採用情報に「昇給 年1回」と記載されていたら、昇給する可能性があるタイミング(給与の改訂)が年1回あるという意味です。企業によっては、そのタイミングで必ずしも昇給するわけではなく、給与が変わらないこともあれば、例えば成績に応じて給与が下がることもあります。
賞与とは、定期的に受け取る月給等の給与とは別に支給される特別な給与を指し、ボーナスとも言います。例えば、採用情報に「賞与 年2回」と記載されていたら、賞与が支給される可能性があるタイミングが年2回あるという意味になります。企業の業績に応じて支給されるケースが多いため、必ずしも支給が保障されるものではありません。
賞与の支給の有無や支給時期、支給回数は企業によって異なります。金額の算定方法も企業によって異なり、一般的には個人の成績や企業の業績に応じて決まることが多いです。
福利厚生の知識
福利厚生とは、給与にプラスして経済的な保障をしたり、金銭以外にも福利厚生サービスの提供を行ったりなどさまざまな形があります。福利厚生の具体例を見てみましょう。
社会保険
社会保険は国の社会保障制度で、「雇用保険」「労災保険」「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」などの保険があります。
採用情報に「社会保険完備」と記載がある場合は、「雇用保険」「労災保険」「健康保険」「厚生年金保険」の4つに企業が加入しているということを示します。以下で4つの保険について理解しましょう。
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雇用保険
雇用保険は失業した際に一定条件を満たせば失業給付を受け取ることができるものです。
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労災保険
労災保険は業務上の事由や通勤によってケガをしたり、病気に見舞われたり、あるいは亡くなった場合に労働者本人や遺族が保険給付を受け取ることができるものです。
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健康保険
健康保険はケガや病気をしたときに、医療費負担が軽減される保険です。
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厚生年金保険
厚生年金保険は一定の年齢や条件を満たした際に老齢年金が給付されるものです。また、一定の基準の障害者になったときや、労働者本人が亡くなった場合に労働者や遺族が保険給付を受け取ることができます。
さまざまな手当の種類
手当は支給制度の有無や種類は企業によってさまざまですが、一例を挙げると次のようなものがあります。
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扶養手当(家族手当)
扶養家族がいる場合に支給
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住宅手当(家賃補助)
家賃の一部または全額を支給
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通勤手当
通勤の際の交通費を一部または全額支給
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資格手当
業務に役立つ資格や特殊技能の免許などを保持している場合に支給
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資格取得支援
業務に必要な資格を取得するために必要な受講料や受験料を一部または全額支給
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役職手当
一定の役職(管理職など)に就いている場合に支給
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慶弔・災害見舞金
お祝いや不幸などに際して、一定の基準に従って支給
など
その他の福利厚生
社会保険や手当支給以外の福利厚生についても、制度の有無や種類は企業によってさまざまですが、一例を挙げると次のようなものがあります。
【その他の福利厚生の例】
- 社宅
- 独身寮
- 健康診断
- 育児休暇
- 介護休暇
- 託児施設
- 保養所
- 運動施設
- 社員食堂
- 財形貯蓄制度
- 持株会
など
採用情報(募集要項)の疑問点がある場合は企業の人事担当者に確認するなどして解消しましょう。
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