企業研究はここをチェック!企業を理解するポイント
企業研究は就職活動の中でも、最も重要な作業のひとつです。ここでは、企業研究の目的やポイントについて詳しく解説します。
企業研究の目的とは?
企業研究を行う目的は一言でいうと次の通りです。
- 企業研究の目的
-
企業の特徴を理解し、
自分との相性を見極め、
志望企業に出会い、
選考を突破することです。
これらの目的を達成するためには、企業研究が重要です。ここでは、企業を理解して志望企業を見つけるまでの過程に絞ってポイントをお伝えします。
企業の特徴を理解するための調査ポイント
それでは、企業研究のために具体的に何を調べればよいのかをお伝えしていきます。企業を理解するためには、次のポイントに沿って学んでいきましょう。
同業界の中での位置づけを把握する
企業を「業態」「企業規模」「サービスの対象者」など大まかな切り口で見たときに、同業他社と比べてどこに分類されるのかを把握します。具体的には次のような切り口です。
同業界の企業同士を次の切り口で分類
- 業態(商品の売り方・サービスの提供方法)
- 企業規模(売上高・営業利益・従業員数・株式公開・資本金など)
- 資本(独立系・系列系・外資系など)
- 商品・サービスの対象(個人消費者・法人/年齢層別/男女別/国内向け・海外向け など)
以下のような図を描いてイメージするとよいです。
業態で分類
企業規模で分類(例:売上高基準)
資本で分類
このように分類し、比較することで、同じ業界の企業同士の位置づけを俯瞰して把握することができ、企業理解のベースになります。
企業ごとに特徴を掘り下げる
業界内での大まかな位置づけを把握したら、各企業ごとにその特徴を詳しく掘り下げて調べていきます。調べる項目は次の通りです。
【01】代表取締役
- 氏名
- 経歴
- 代表メッセージ
企業を代表する人物については押さえておきましょう。
【02】企業理念
- 企業理念
- 創業以来の理念・精神
企業理念の浸透を特に重視する企業もあります。
【03】設立年・資本金・株式公開・事業拠点
- 設立年
- 資本金
- 株式公開
- 事業拠点
こういった情報からは、企業の歴史や事業規模、あるいは転勤の可能性などをイメージできます。
【04】詳しい事業内容
- 商品・サービスの詳しい内容(現状と今後の方向性)
- 商品・サービスの対象者(個人消費者・法人/年齢層別/男女別など)
- 業態(商品の売り方・サービスの提供方法)
企業が何をどうやって市場に提供することで利益を得ているのか、仕組みを理解します。さらに、売上・営業利益の基盤となる商品・サービスは何か、新規に展開されている事業は何かなど、内訳まで細かく調べれば企業の強みを理解できます。
【05】業績
- 売上高
- 営業利益(率)
直近の業績を調べ、規模を理解します。売上高は業界内では高い方でも、営業利益率が他社と比較して小さいこともあります。また、売上高が中堅クラスの企業でも、高い利益率を出しているケースもあります。
【06】成長性
- 売上高・営業利益の伸び率
- 新規事業・事業拡大の展望
直近の伸び率や事業の展望を調べることで、今後の成長性を予測することができます。
【07】景況・経済動向による影響度
- 売上高・営業利益の過去推移
- 円高時・円安時の売上・営業利益の状況
過去の歴史を追いながら、景況・経済動向による影響度を調べます。すると、企業の体力や売上・利益の仕組みについて理解が深まります。例えば、「この企業はリーマンショック後に売上高が下がってから業績を回復するまでに3年を要したが、こちらの企業は利益率の高い事業を成功させて2年で回復した。」、「円高時ほど利益を上げやすい企業だ。」、「円安時に売上高が上がる企業だ。」といった具合です。
【08】競争力
- 商品・サービスの開発力・技術力・品質
- 商品・サービス提供のネットワーク
競合他社に勝っている強みは何かに注目して調べましょう。面接では、同業他社と比べての強みを理解しているか、どう考えているかを聞かれる場合もあります。
【09】社風
- 年齢・男女別の人員構成
- 意思決定の仕組み(トップダウン型/ボトムアップ型 など)
※トップダウンとは、組織の上層部の人(社長・役員・役職者など)が意志決定をし、下部の人がその指示を受けて実行する仕組み。
※ボトムアップとは、下の人の意見を上層部が吸い上げて、意思決定に反映させる仕組み。 - 新しいことへの挑戦を重視/伝統的価値を提供し続けることを重視
- チーム力を重視/個人の裁量を重視
- 職場の雰囲気(真面目で堅実/自由闊達/体育会系のような雰囲気/頭脳派集団/ユーモラスな人が多い など)
- 社員教育・育成環境(研修制度が充実している/個人の主体的に学ぶ姿勢を重視 など)
企業の組織風土を理解しましょう。
【10】キャリア形成の環境
- 昇給・昇進の仕組み(年功序列/成果主義/評価制度など)
- 平均勤続年数、役職者の平均年齢
何年後にどのようなポジションで仕事をしているかをイメージするための材料を集めましょう。
【11】職種
- 職種の種類
- 職種ごとに求められるスキル
入社後配属される部署、職種はどのようなものかを調べましょう。職種ごとに求められるスキルと自分の強みや経験に共通点があれば、面接でアピールできます。
【12】勤務条件
- 給与(月収/年収/昇給/賞与)
- 勤務地(転勤・駐在の有無 など)
- 勤務時間(就業時間帯/定時内の実働時間/残業時間/フレックスタイム制度/時短勤務制度 など)
- 休日(固定休み/シフト制休み/夏季休暇/年末年始休暇/年間休日数/育休・産休制度 など)
- 手当(交通費支給/営業手当/資格手当/地域手当 など)
- 福利厚生(社宅/家賃補助/資格取得補助 など)
- 保険(健康保険/厚生年金保険/雇用保険/労災保険がそろっているか)
勤務条件は、労働契約内容の一つで、実際に働く中で毎日の生活に直接影響を与えるポイントです。ここでは主だった条件項目を挙げました。
【13】CSR活動・ダイバーシティーの取り組み
- CSR活動の内容
CSR※活動とは、企業が事業活動を行うことで社会や環境に与える影響について、その責任を果たし、共存していくための活動です。企業が社会から信頼を得るための活動ともいえます。
- ダイバーシティーの内容
ダイバーシティーとは、人種・国籍・性・年齢・文化・宗教・障がいを問わず、多様性を重視して人材を登用することです。
CSR活動やダイバーシティーの取り組みを実施している企業であれば、これも特徴のひとつですからよく調べておきましょう。
※CSR=Corporate Social Responsibility
【14】関連企業
- 親会社・子会社
- グループ会社
- 資本提携会社・業務提携会社
独立系の企業でなければ、関連企業も把握しておきましょう。
以上が、企業を理解するために主にチェックしたいポイントです。
ここで挙げた内容は一例なので、これ以外にも調べていく中で疑問に思ったことはどんどん追求して調べていきましょう。
企業について調べる方法について詳しくは「くまなく調べよう!企業研究の手段いろいろ」を参考にしてください。
自分が求めるポイントから志望企業の候補を挙げる
企業の特徴を理解したら、自分が求めるポイントと重視しないポイントを決めて志望企業の候補を挙げましょう。
- 例
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■海外企業との取引を多く持ち、成長性の高い企業がよい。転勤や労働時間は多くても構わない。
■IT・WEB関連企業で、ボトムアップができ、成長意欲の高い人材がそろった企業がよい。企業規模は問わない。
■医療・製薬関連の企業で、技術力・開発力の高い企業がよい。新しいことへチャレンジできる環境がよい。
自分の性格や価値観、行動パターンなど、自己分析で見つかった特徴と照らし合わせながら志望企業を探していくことがおすすめです。自己分析の仕方は「効率的な自己分析の方法」を参考にしてください。
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